
vfbシュトゥットガルトは、ドイツ南西部の都市シュトゥットガルトを本拠地とする名門サッカークラブです。白いユニフォームを横切る赤い帯、日本代表選手が数多く所属してきた歴史、若手を生かした攻撃的なサッカーで知られています。クラブ名の意味や獲得タイトル、現在のチーム状況、スタジアム、日本との関係まで、初めて興味を持った人にもわかりやすく紹介します。
正式表記は「VfB Stuttgart 1893 e.V.」で、日本ではVfBシュトゥットガルト、または単にシュトゥットガルトと呼ばれます。ドイツ国内で長い歴史と多くのファンを持ち、ブンデスリーガ優勝経験もあるクラブです。
VfBは、ドイツ語の「Verein für Bewegungsspiele」を短くした呼び方です。直訳すると「運動競技のためのクラブ」という意味になり、ドイツ語では「フェー・エフ・ベー」に近い発音をします。日本ではアルファベットを英語風に読んだり、単にシュトゥットガルトと呼んだりすることもあります。
クラブの正式名称に入っている「1893」は、前身となるクラブが創設された年です。現在のVfBシュトゥットガルトという形になったのは後年ですが、クラブは1893年を創設年として大切にしており、エンブレムにも数字が記されています。
シュトゥットガルトは、ドイツ南西部にあるバーデン=ヴュルテンベルク州の州都です。自動車産業が盛んな都市として知られ、メルセデス・ベンツやポルシェと深い関係があります。VfBは地域を代表するクラブであり、市民や周辺地域の人々から強い支持を受けています。
トップチームのホームタウンとしては「シュトゥットガルト」ですが、クラブ施設とスタジアムがあるバート・カンシュタット地区との結び付きも重要です。そのため、クラブやチームを指して「カンシュタットのクラブ」「カンシュタットのチーム」と表現されることがあります。
VfBシュトゥットガルトのユニフォームで目立つのが、白地の胸部分を横切る赤い帯です。ドイツ語では「Brustring」と呼ばれ、日本語では胸のリングや胸の帯と訳せます。1925年から使用されてきた伝統的なデザインで、クラブを象徴する存在です。
エンブレムにはクラブ名と創設年に加え、鹿の角を図案化した模様が入っています。この模様はヴュルテンベルク地方の紋章に由来します。白、赤、胸の帯、鹿の角を覚えておくと、試合映像やユニフォームを見たときにVfBを見分けやすくなります。
2025-26シーズンのVfBシュトゥットガルトは、ブンデスリーガを18勝8分け8敗の勝ち点62で終え、4位に入りました。34試合で71得点を記録しており、攻撃力を発揮しながら上位争いを続けたシーズンだったといえます。
同シーズンのDFBポカールでは2年連続で決勝に進みましたが、2026年5月23日の決勝でバイエルン・ミュンヘンに0対3で敗れました。それでもリーグ4位とカップ戦準優勝を残しており、近年のドイツで存在感を高めているクラブであることは間違いありません。
2026年7月時点の監督はセバスティアン・ヘーネスです。2026-27シーズンのブンデスリーガ開幕戦は、2026年8月28日にアウェーでバイエルン・ミュンヘンと対戦する予定です。
VfBシュトゥットガルトは、創設から130年以上の歴史を持ちます。常に順調だったわけではなく、国内優勝を成し遂げた時代、2部降格に苦しんだ時代、若い選手とともに復活した時代を経験してきました。
クラブの歴史は、1893年9月9日に設立された前身クラブへとさかのぼります。その後、1912年にFVシュトゥットガルト1893とクローンエンクルプ・カンシュタットが合併し、現在につながるVfBシュトゥットガルトが誕生しました。
前身クラブでは、現在のサッカーだけでなくラグビーも重要な競技でした。当時のドイツでは、現代ほど競技団体やルールが整理されていなかったため、複数の球技を行うクラブは珍しくありませんでした。こうした歴史が「運動競技のためのクラブ」という名称にも表れています。
VfBが最初の大きな成功を収めたのは1950年代です。1950年と1952年にドイツ選手権を制し、1954年と1958年には国内カップを獲得しました。当時は現在の全国リーグであるブンデスリーガがまだ始まっておらず、地域リーグを勝ち上がったクラブが全国王者を争っていました。
ブンデスリーガが創設された1963年には、VfBも初年度から参加しています。つまり、VfBシュトゥットガルトはブンデスリーガの創設メンバーの一つです。長い歴史を持つだけでなく、ドイツの全国リーグが形作られた時代から中心にいたクラブといえます。
ブンデスリーガ発足後、VfBは1983-84シーズンに初優勝しました。1991-92シーズンには、最終節まで複数クラブが優勝を争う接戦を制して2度目のリーグタイトルを獲得しています。得点王に輝いたフリッツ・ヴァルターの活躍も、優勝を語るうえで欠かせません。
2006-07シーズンには、前年度9位だったチームが予想を上回る快進撃を見せ、3度目のブンデスリーガ優勝を達成しました。マリオ・ゴメス、サミ・ケディラ、セルダー・タスキといった若い選手が成長し、ベテランと組み合わさったチームは「若手育成に優れたVfB」という印象を強めました。
ブンデスリーガ創設前の優勝を含めると、VfBのドイツ王者は通算5回です。国内最高峰のリーグを何度も制した実績があるため、近年VfBを知った人も、歴史的な名門クラブとして理解しておくとよいでしょう。
| 大会 | 優勝回数 | 主な優勝年・シーズン |
|---|---|---|
| ドイツ選手権・ブンデスリーガ | 5回 | 1950年、1952年、1983-84、1991-92、2006-07 |
| DFBポカール | 4回 | 1954年、1958年、1996-97、2024-25 |
| ドイツ・スーパーカップ | 1回 | 1992年 |
名門であるVfBも、2015-16シーズンと2018-19シーズンには2部降格を経験しました。2022-23シーズンも残留プレーオフに回り、ハンブルガーSVとの2試合を勝ち抜いてようやく1部残留を決めています。
ところが、セバスティアン・ヘーネス監督の下で迎えた2023-24シーズンには大きく飛躍し、バイエルン・ミュンヘンを上回るリーグ2位に入りました。2024-25シーズンにはDFBポカール決勝でアルミニア・ビーレフェルトに4対2で勝利し、28年ぶり4度目のカップ優勝を果たしています。
続く2025-26シーズンもリーグ4位、DFBポカール準優勝という結果を残しました。残留を争っていたチームが短期間で国内上位へ戻った流れは、近年のヨーロッパサッカーでも注目される変化です。
近年のVfBは、守備だけを固めて勝点を狙うチームではありません。ボールを動かしながら相手の守備を崩し、失った直後には素早く奪い返す、積極的で見応えのあるサッカーを目指しています。
セバスティアン・ヘーネスは、2023年4月にVfBの監督へ就任しました。就任当時のチームは残留争いの最中でしたが、選手の配置やボールの運び方を整理し、最終的にはプレーオフを経てブンデスリーガ残留へ導きました。
翌シーズンにはリーグ2位まで順位を押し上げ、その後もカップ優勝や上位進出を実現しています。相手に合わせて布陣を調整しながらも、ボールを持つこと、前向きに守備をすること、複数の選手が連動することを重視する監督です。
VfBの攻撃では、ゴールキーパーやセンターバックから短いパスをつなぎ、相手のプレスを引き付ける場面が多く見られます。危険を避けて前方へ蹴るだけでなく、守備側の選手を動かしてから空いた場所へボールを運ぶ狙いがあります。
サイドバックが高い位置へ進んだり、中央の選手が最終ライン付近まで下がったりするため、選手の立ち位置は試合中に変化します。初心者が観戦するときは、ボールだけでなく、周囲の選手がどこへ移動してパスコースを作っているかを見ると面白さが増します。
攻撃中にボールを奪われた際、VfBの選手はすぐ自陣へ戻るだけでなく、その場で相手を囲んで奪い返そうとします。これを「カウンタープレス」と呼びます。カウンター攻撃を受ける前に相手の前進を止め、再び自分たちの攻撃へつなげる方法です。
全員の距離が近くなければ成立しないため、前線、中盤、最終ラインの連動が欠かせません。成功すれば相手ゴールに近い位置から攻撃を再開できますが、かわされると守備側の人数が不足します。この積極性と危険性が、VfBの試合を動きの多い展開にしています。
攻撃陣では、デニス・ウンダヴが得点とチャンスメークの両方を担います。前線に立ち続けるだけでなく、中盤まで下がってパス交換へ参加できる選手です。2025-26シーズンにはブンデスリーガで19得点を挙げ、シーズン終了後には契約を2029年まで延長しました。
エルメディン・デミロヴィッチ、ジェイミー・レヴェリング、クリス・フューリッヒ、ビラル・エル・ハンヌスなども攻撃の選択肢です。中央で体を張れる選手、サイドから速度を生かす選手、狭い場所でドリブルできる選手がそろっています。
中盤ではアンジェロ・シュティラーがパスの出し手となり、アタカン・カラソルが守備や試合のバランスを支えます。マキシミリアン・ミッテルシュテットやヨシャ・ファグノマンといったサイドの選手も、攻撃参加によってチャンスを作る重要な存在です。
VfBシュトゥットガルトは、日本人選手が継続的に所属してきたドイツのクラブです。日本代表経験者も多く、選手の活躍を通じてVfBを知った日本のサッカーファンは少なくありません。
岡崎慎司は2011年に清水エスパルスからVfBへ加入しました。豊富な運動量とゴール前へ飛び込む動きを生かし、ブンデスリーガやヨーロッパの大会でプレーしています。特にオーバーヘッドキックによる得点は、印象的なゴールとしてファンに記憶されています。
酒井高徳は2012年にアルビレックス新潟から加入し、左右のサイドバックを務めました。複数のポジションをこなせることに加え、ドイツ語でのコミュニケーション能力も高め、チーム内で信頼を獲得しました。後にハンブルガーSVではキャプテンも経験しています。
浅野拓磨はアーセナルからの期限付き移籍でVfBに加わり、2016-17シーズンのブンデスリーガ2部優勝と1部昇格に貢献しました。持ち味である速さを生かし、公式戦45試合に出場しています。
同時期には細貝萌も所属し、中盤でプレーしました。さらに2023年には原口元気が加入しています。原口はウニオン・ベルリンなどで長くドイツサッカーを経験しており、VfBでは若い選手が多いチームへ経験をもたらしました。
日本との関係を語るうえで特に重要なのが遠藤航です。2019年に加入した当初は出場機会が限られましたが、守備力、球際の強さ、安定したプレーによって定位置を獲得しました。2部から1部への昇格にも貢献し、その後はチームキャプテンを任されています。
2021-22シーズン最終節では、試合終了直前に決勝点を挙げ、VfBを残留へ導きました。2022-23シーズンも残留争いを支えた後、2023年にリヴァプールへ移籍しています。主将として戦った遠藤の姿は、日本とシュトゥットガルトのファンの双方に強い印象を残しました。
伊藤洋輝は2021年にジュビロ磐田から加入しました。当初は将来性を評価された移籍でしたが、左センターバックや左サイドバックで出場を重ね、ブンデスリーガでも高く評価される選手へ成長しました。2024年にはバイエルン・ミュンヘンへ移籍しています。
そのほか、VfBにはチェイス・アンリなど日本に縁のある若手も在籍してきました。クラブは2024年に日本ツアーを実施し、京都サンガF.C.やサンフレッチェ広島と対戦しています。歴代日本人選手とのつながりだけでなく、クラブとして日本市場との交流も続けています。
| 選手 | 主なポジション | VfBでの主な特徴 |
|---|---|---|
| 岡崎慎司 | フォワード | 運動量とゴール前への飛び込み |
| 酒井高徳 | サイドバック | 左右をこなす対応力 |
| 浅野拓磨 | フォワード | 2部優勝と1部昇格に貢献 |
| 遠藤航 | ミッドフィールダー | キャプテンとして残留を支えた |
| 伊藤洋輝 | ディフェンダー | 加入後に主力へ成長 |
| 原口元気 | ミッドフィールダー | ドイツでの豊富な経験を還元 |
VfBをより深く知るには、選手や試合結果だけでなく、ホームスタジアムとサポーターにも注目してみましょう。地域に根付いた応援文化は、VfBシュトゥットガルトの大きな魅力です。
VfBのホームスタジアムはMHPアレーナです。改修後の収容人数は6万58人で、ブンデスリーガでも規模の大きいスタジアムに数えられます。名称はスポンサー契約によって変わることがあり、過去にはメルセデス・ベンツ・アレーナなどと呼ばれていました。
スタジアムはバート・カンシュタット地区にあり、クラブの練習施設にも近い場所です。陸上トラックのないサッカー専用型の構造で、観客席からピッチまでの距離が比較的近く、満員時には大きな声援が選手へ届きます。
ホームゴール裏の応援エリアは「カンシュタッター・クルヴェ」と呼ばれます。熱心なサポーターが集まり、試合前から旗、歌、手拍子などで雰囲気を作ります。白と赤の人文字や大規模なコレオグラフィーが披露されることもあります。
ドイツではクラブが地域の共同体として機能しており、VfBも例外ではありません。好調な時期だけでなく、2部降格や残留争いの時期にも多くのファンがスタジアムを訪れました。勝敗だけでは説明できない結び付きが、応援の迫力を生んでいます。
VfBの代表的な地域対決として知られるのが、カールスルーエSCとの試合です。両クラブの対戦はバーデン=ヴュルテンベルク州を代表するライバル関係として扱われ、リーグカテゴリーが異なる時期でも強く意識されてきました。
SCフライブルクとの対戦も、同じ州に本拠地を置くクラブ同士の一戦として注目されます。また、バイエルン・ミュンヘンとの南部対決や、ホッフェンハイムとの州内対決にも独特の緊張感があります。対戦相手との地理的な関係を知ると、試合の背景を理解しやすくなります。
MHPアレーナで観戦する場合は、VfBの公式チケット販売ページを利用するのが基本です。人気カードや週末開催の試合は早い段階で売り切れることがあり、会員向けの先行販売だけで多くの席が埋まる場合もあります。
購入後に観戦できなくなった人がチケットを再販売できる公式チケット交換サービスも用意されています。非公式な転売サイトでは高額販売や入場できないチケットの危険があるため、公式販売または公式交換サービスを選ぶことが大切です。
スタジアム周辺へは公共交通機関で移動できますが、試合日は電車や駅が混雑します。入場時の手荷物検査も考え、早めに到着すると安心です。クラブショップやスタジアム周辺の雰囲気も楽しみたい場合は、キックオフの数時間前から行動すると余裕を持てます。
現地へ行けなくても、試合中継、公式サイト、SNSなどを利用すれば日本からVfBを追いかけられます。情報の更新速度や日本語対応の有無が異なるため、目的に合わせて使い分けることがポイントです。
リーグ戦を映像で見たい場合は、日本国内でブンデスリーガの放映権を持つテレビ局や動画配信サービスを確認します。放映権の契約はシーズンごとに変更される可能性があるため、過去に視聴できたサービスが現在も扱っているとは限りません。
DFBポカールやヨーロッパの大会は、ブンデスリーガとは別の放映契約になる場合があります。見たい試合がリーグ戦なのかカップ戦なのかを確認し、各サービスの最新番組表を調べると見逃しを防げます。
VfBの公式サイトでは、試合日程、結果、選手情報、記者会見、移籍、負傷者などの情報が発信されています。ドイツ語版に加えて英語版もあり、翻訳機能を使えば日本からでも内容を把握しやすいでしょう。
公式アプリでは、試合速報、先発メンバー、順位表、ニュースなどをまとめて確認できます。試合を映像で視聴できないときも、ライブ速報を利用すれば得点経過や交代選手を追えます。
公式のYouTube、Instagram、Xなどでは、練習風景、選手インタビュー、試合前後の映像が公開されます。試合中継とは異なり、選手の性格やロッカールームの雰囲気、ファンとの交流を知れる点が魅力です。
日本人選手が所属していた時期の映像や、日本ツアーの動画が紹介されることもあります。ただし、移籍情報を扱う非公式アカウントには推測も含まれます。契約や退団に関する情報は、クラブや選手本人の正式発表を確認しましょう。
サッカーの戦術や全選手を一度に覚える必要はありません。最初はウンダヴの動き、シュティラーのパス、レヴェリングの速さなど、気になる選手を一人決めて観戦するとチームの特徴をつかみやすくなります。
慣れてきたら、ボールを持っていない選手の位置や、攻守が切り替わった直後の動きにも注目してみましょう。VfBは選手同士が連動して立ち位置を変えるため、同じ試合でも見る対象によって新しい発見があります。
vfbシュトゥットガルトは、1893年から続く歴史を持ち、ドイツ王者5回、DFBポカール優勝4回を誇る名門クラブです。白いユニフォームの赤い胸帯、地域に根付いたファン文化、若手を積極的に起用する伝統が大きな特徴です。
近年はセバスティアン・ヘーネス監督の下で攻撃的なチームへ成長し、2023-24シーズンのリーグ2位、2024-25シーズンのDFBポカール優勝、2025-26シーズンのリーグ4位と好成績を残しました。
岡崎慎司、酒井高徳、浅野拓磨、遠藤航、伊藤洋輝、原口元気など、多くの日本人選手が所属してきたことも日本のファンにとって身近な理由です。歴史あるクラブでありながら、新しい選手と戦い方によって変化を続けている点がVfBシュトゥットガルトの魅力です。